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- 社労士試験の勉強を始めるのに最適な時期は?
- 効果的な勉強スケジュールは?
- 学習開始から試験日までの流れが知りたい
社会保険労務士試験の学習科目は10科目。出題される可能性がある法律は30以上です。
試験の範囲が広いため、学習期間は短くても半年、長ければ1年以上に及びます。現実的なスケジュールを立てておかないと「試験に間に合わない…」ということにもなりかねません。
この記事では、試験に最短で合格するために最適な勉強スケジュールを解説。記事を読めば、挫折することなく合格レベルに到達できます。
勉強を開始するのにベストな時期は9月です。それは独学であっても同じです。
次の3つの期間に分けて、勉強スケジュールを立てましょう。
合格する可能性が確実に上がる!
社労士試験の勉強は9月から始めるのがベスト
勉強を始める時期は、いつでも構いません。動機は人それぞれなので、やる気があるときに始めるのが一番です。
- 新年を迎え、資格に挑戦したい
- 宅建に合格したから、次は社労士を目指したい
- 起業するために、何年かかっても試験に合格したい
「社労士になりたい」という気持ちが強いほどモチベーションが高まり、学習を継続できます。
あえて勉強を始めるのにベストなタイミングを挙げるなら9月。理由は3つあります。
理由① 次の試験まであと1年
社労士試験は毎年、8月の第4日曜日に実施されます。9月から勉強をスタートすると、試験までちょうど1年です。
私たちは小さいころから、1年を基準に生活してきました。
- 暦
- 年齢
- 学年
いままでの経験から1年がどれくらいの長さなのか、よく知っています。仕事で1年単位のスケジュールを組むことにも慣れています。
9月から勉強を始めると社労士試験までちょうど1年、モチベーションを保ちやすいです。
2024年の社労士試験
2024年の試験は例年どおりであれば、8月25日(日)に実施される見込みです。受験申込期間は、4月中旬〜5月末まで。合格発表日は10月上旬です。
理由② 新しい教材が出始める
社労士試験における新学期は9月からスタートします。(例年、8月の第4日曜日に試験が行われるため)
新学期の9月に合わせて、新年度の教材が出始めます。市販のテキストから資格スクールの対策講座まで、さまざまです。
試験に出題される法律は毎年のように改正されるため、基本的に前年度の教材は使えません。
9月に勉強を開始すると教材を買い替えることなく、翌年8月の社労士試験に臨めます。
受講期間の延長や早期割引を設定している資格スクール
受講期間の延長や早期割引を設けている資格予備校の講座があります。
例えば、2023年6月に受講を開始し、2024年8月の社労士試験までサポートしてもらえるコースです。学習に充てられる時間が増えるので、それだけで合格の可能性が高まります。
じっくり勉強して本試験に臨みたい方におすすめです。
理由③ 無理なく合格を目指せる
社労士試験の合格に必要な勉強時間の目安は800〜1,000時間です。設定する学習期間の長さで、1日に必要な勉強時間が変わります。
以下は半年間と1年間の学習期間で、800時間と1,000時間に到達するために必要な1日の勉強時間です。
総勉強時間 | 半年間 | 1年間 |
---|---|---|
800時間 | 4時間23分/日 | 2時間12分/日 |
1,000時間 | 5時間28分/日 | 2時間45分/日 |
半年間で合格を目指すと、1日4〜6時間の勉強が必要です。一方、学習期間が1年間なら1日2〜3時間の勉強で済みます。
働きながら1日4〜6時間、勉強するのは至難の業です。
9月から学習をスタートすれば、無理なく合格を目指せます。
詳細はこちら >> 合格に必要な勉強時間と時短方法7選
よくある質問「宅建合格後のスタートでも間に合いますか?」
多いのが、宅建資格の取得直後に次のチャレンジとして、社労士に挑戦するケースです。私もこの流れで学習を始めました。
結論として、間に合わないことはありませんが、かなりタイトな勉強スケジュールになります。11月の下旬からのスタートになるため、本試験まで残り9ヶ月(270日)。最低でも1日2時間の勉強は必要です。しかも、不合格になる確率のほうがはるかに高いです。私の場合、合格までに3回受験しました…。
社労士と宅建士は、法律系の国家資格という点では共通していますが、学習範囲はほとんど被っていません。ゼロからの知識習得になります。
一発合格を目指すのであれば、1日でも早く学習を開始してください。そして、資格スクールの講座の利用は必須です。
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失敗しない社労士試験の勉強スケジュール
社労士試験の勉強を始める前に、スケジュールを立てましょう。ざっくりとした計画で構いません。
「何となく始める人」と「試験日までのスケジュールを組んで勉強を始める人」では、学習の進捗度も違ってきます。
資格スクールの講座を利用する場合は、講義のペースに合わせて学習していけば問題ありません。しかし社会人の場合、仕事やプライベートの用事に時間をとられることも。
- 3月の決算期
- GWに帰省する
- お盆休みが取れない
あらかじめ予想できるイベントはスケジュールに組み込み、8月の社労士試験までに確保できる時間を把握しておくことが大切です。それは独学であっても変わりません。
以下の3つ期間に分けて、勉強スケジュールを組むと管理しやすいです。
(クリックすると各項目にジャンプします。)
前期(〜4月) | 中期(5〜7月) | 直前期(8月) |
インプット中心 | アウトプット中心 | 総復習 |
講義を視聴 テキストを読む 問題演習 | 問題演習 横断整理 模擬試験 法改正対策 白書・統計対策 選択式試験対策 | 問題演習 体調管理 数字や用語の暗記 |
前期の勉強スケジュール
前期(〜4月) |
インプット中心 |
講義を視聴 テキストを読む 問題演習 |
社労士試験の学習における前期は、勉強開始から4月まで。9月に学習を始めたとしたら、8ヶ月間になります。
前期はインプットが中心です。試験対策としてのインプットは、基本事項を理解すること。
基本事項を理解するには、以下の方法が効果的です。
- 資格スクールの講義を視聴する
- テキストの重要ポイントを読み込む
- よく出題されている問題を繰り返し解く(問題演習)
最初は社労士試験の「大枠」をつかみます。細かいところは飛ばしてください。しっかりとした骨組みができれば、知識はいくらでも追加できます。
テキストを読むときは、太字・赤文字の箇所や制度趣旨などの強調されているポイントを押さえます。側注の小さな文字を最初から読む必要はありません。
おすすめのインプット方法は、「章」単位でテキストと問題集を行き来すること。具体的には次の手順です。
- テキスト第1章の労働基準法「総則」を読む(または講義を視聴する)
- 労働基準法「総則」に関連する過去に出題された問題(過去問)を解く
- テキスト第2章の労働基準法「労働契約」を読む(または講義を視聴する)
- 労働基準法「労働契約」に関連する過去問を解く
「章単位でテキストを読む→該当する過去問を解く」作業を繰り返します。テキストを読んだあと、すぐに問題を解くことで理解が深まります。
問題が難しいと感じた場合は、先に問題集の解説を読みましょう。解説から先に読んでもインプットになります。
問題集の解説を読んでもわからないときは、テキストに戻ります。必要があれば、側注の記載まで確認してください。
全10科目のインプットが一通り終わったら、次は順番を逆にします。
- 過去問を解く
- 答え合わせをする
- 問題集の解説を読む
- 解説を読んでも理解できなければ、テキストを確認する
①〜④を繰り返します。前期に5回以上、問題集を解き直しましょう。
「問題演習⇄テキスト」を繰り返した回数が多いほど、合格に近づきます。
前期に限らず、学習の基本は「問題演習⇄テキスト」です。
問題集の選び方
社労士試験の問題演習の中心になるのは、択一式試験の過去問題集です。
択一式は下記タイプの問題が70問出題されます。5つの選択肢の中から「正しいもの」または「誤っているもの」を1つ選ぶ、5肢択一です。
1問1答形式の過去問題集を使ってください。項目ごとに過去問がまとめられているため、的を絞って学習できます。
資格予備校の講座を受講する場合は、コースに含まれている問題集を使えばOKです。
市販品であれば、10年分の過去問が掲載された問題集が一般的です。テキストと問題集は同じ出版社のシリーズものを選びましょう。テキストと問題集がリンクしているため、効果的に学習できます。
社労士試験の問題集を選ぶときは、次の3つのポイントを判断基準にしてください。
- 読みやすい
- 解説が詳しい
- 頻出問題や重要度がわかる
問題演習は正誤記録を付ける
社労士試験の問題演習をしたら、必ず正誤記録を付けましょう。復習がしやすくなります。次の3つのしるしで記録するのがおすすめです。
- 〇:理解できた上で正解
- △:よくわからなかったが正解
- ×:不正解
問題を解いた日付も書きます。問題集のページの余白部分や別紙に記録しましょう。
学習する科目の順番
社労士試験の学習範囲は全10科目。勉強していく際の科目の順番は、主に次の2タイプです。
順番 | タイプ① | タイプ② |
1 | 労働基準法 | 労働基準法 |
2 | 労働安全衛生法 | 労働安全衛生法 |
3 | 労働者災害補償保険法 | 労働者災害補償保険法 |
4 | 雇用保険法 | 雇用保険法 |
5 | 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 | 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 |
6 | 労務管理その他労働に関する一般常識 | 健康保険法 |
7 | 健康保険法 | 国民年金法 |
8 | 国民年金法 | 厚生年金保険法 |
9 | 厚生年金保険法 | 労務管理その他労働に関する一般常識 |
10 | 社会保険に関する一般常識 | 社会保険に関する一般常識 |
タイプ①とタイプ②の違いは、「労務管理その他労働に関する一般常識」を学習するタイミングだけです。どちらも大差はないので、教材ごとの方針に従ってください。
学習する順番には意味があります。社労士試験の科目は「労働法」と「社会保険法」の2つに大別できます。
労働法 | 社会保険法 | |
科目 | 労働基準法 労働安全衛生法 労災保険法 雇用保険法 労働保険徴収法 労務管理その他労働に関する一般常識 | 健康保険法 国民年金法 厚生年金保険法 社会保険に関する一般常識 |
社労士試験では「労働法」のほうが「社会保険法」よりもわかりやすいため、先に労働法を学習。労働法の中でも、「労働基準法」はベースとなる法律であるため、いちばん最初に取り組みます。
「労働安全衛生法」は労働基準法から分離した法律です。労働安全衛生法は労働基準法の次に勉強します。
「労災保険法」と「雇用保険法」を理解するには、労働基準法の平均賃金の知識が必要です。労働安全衛生法の次に、労災保険法と雇用保険法を学習します。
「労働保険徴収法」は、労災保険法と雇用保険法に共通する費用負担について定めている法律です。労災保険法と雇用保険法のあとに勉強します。
「健康保険法」「国民年金法」「厚生年金保険法」の社会保険3法の中では、厚生年金保険法を最後に学習します。健康保険法と国民年金法がわかっていないと、厚生年金保険法を理解できないからです。
国民年金法は年金制度の基礎となる法律です。国民年金法を勉強したあとに、厚生年金保険法を学びます。
社労士試験で、もっとも効率が良い学習科目の順番は以下のとおりです。
- 学習の順番:労働法→社会保険法
- 労働法の順番:労働基準法→労働安全衛生法→労災保険法→雇用保険法→労働保険徴収法→労一
- 社会保険法の順番:健康保険法→国民年金法→厚生年金保険法→社一
詳細はこちら >> 科目別の勉強法
中期の勉強スケジュール
中期(5〜7月) |
アウトプット中心 |
問題演習 横断整理 模擬試験 法改正対策 白書・統計対策 選択式試験対策 |
社労士試験の学習における中期は、5〜7月までの3ヶ月間。試験まで残り4ヶ月です。徐々にペースを上げていきましょう。
5〜7月はアウトプット中心です。アウトプットは択一式なら、過去問の1つ1つの選択肢を見て、正誤をそれぞれ正しく判定できること。
誤っている選択肢について、「間違っている箇所を正しく修正できる」または「なぜ間違いなのか説明できる」ようになることです。
〇×を正確に判断するために前期と同様、以下の手順で問題演習を繰り返します。
- 過去問を解く
- 答え合わせをする
- 問題集の解説を読む
- 解説を読んでも理解できなければ、テキストを確認する
中期は「スピードアップ」と「苦手の克服」にも取り組みます。
社労士試験の問題演習を行う際は、タイムを測りましょう。択一式の過去問なら、1つの選択肢を30秒以内で解けるように訓練します。
苦手な問題を克服するには、過去問の正誤記録を活用してください。3回連続で正解「〇」だった問題は飛ばして、不得意な問題に注力します。
学習の中期は問題演習と並行して、以下の課題にも取り組みましょう。
中期① 横断整理
社労士試験の学習を一通り終えたころに、頭の中が混乱することがあります。法律には似たような規定がたくさんあるため、どれがどの法律の規定なのか、区別がつかなくなるからです。
横断整理をして、前期に詰め込んだ知識を整理します。頭の中をキレイに整えることで、知識をすぐに取り出せるようになります。
以下は横断整理の実例です。
被保険者の資格喪失届の提出期限は、雇用法は10日以内、健保法は5日以内、国年法は14日以内、厚年法は5日以内です。
提出期限が法律ごとに異なるので、覚えることも思い出すことも大変。被保険者の資格喪失届の提出期限を横断整理すると次のようになります。
健保法・厚年法 | 雇用法 | 国年法 | |
被保険者 資格喪失届 提出期限 | 5日以内 | 10日以内 | 14日以内 |
横断整理をすることによって、被保険者資格喪失届の提出期限の違いや共通点を認識できます。社労士試験で類似している規定は、それぞれの科目で押さえるよりも比較したほう覚えやすいです。
一覧表にすると一目瞭然です。
横断整理のやり方
社労士試験の横断整理の方法は2つあります。
- 専用の教材を購入する
- 自分で共通事項をまとめる
横断整理のための教材は資格スクールの講座はもちろんのこと、市販の書籍でも出版されています。
詳細はこちら >> 横断整理をすると覚えるのがラク
中期② 模擬試験
社労士試験の模擬試験が行われる時期は、5〜7月。2回程度、模試を実施する資格スクールが多いです。書店やAmazonなどで購入できる模試もあります。
模試は受けたあとの復習が大事です。内容を吸収できないと意味がないため、模試を受ける回数は2回を目安にしてください。
模試は必ず受験しましょう。3つの意義があるからです。
- 試験本番の予行練習になる
- 相対的な実力を把握できる
- 良質な予想問題を入手できる
模試を受けずに社労士試験に挑む行為は、オリンピックがかかった選考会にぶっつけ本番で臨むようなものです。実力を100%発揮できません。
合格の可能性を下げないように、模試は必ず受けましょう。
模試は2タイプ
社労士試験の模試は2種類あります。
- 会場受験タイプ:資格の学校TAC、資格の大原、LEC東京リーガルマインド(すべて公式サイト)
- 自宅受験タイプ:市販の書籍、通信講座が専門の資格スクール
本番に近い緊張感を味わえる、会場受験タイプの模試がおすすめです。
通信講座専門の資格スクール
社労士試験の講座を提供している、通信が専門の主な資格スクールは5社です。
ほとんどのコースに、模試が含まれています。
詳細はこちら >> 模試の効果的な活用法
中期③ 法改正対策
法改正とは、「法律の改正」のことです。社労士試験で出題される法律は、改正されることが頻繁にあります。例えば国民年金法・厚生年金保険法・健康保険法は、国家財政の問題で改正が多いです。
試験では、法改正された箇所がよく出題されます。法改正対策は中期に、最優先で取り組むべき課題です。
社労士試験は、試験の実施を官報で公示した日に施行されている法令をもとに、問題が作られます。例年4月の中旬です。法改正の対策は4月の中旬以降に始めることになります。
法改正情報を入手する方法は以下の3つです。
- 市販の書籍
- ネットで調べる
- 資格予備校の講座
自分で法改正の有無を調べるのは大変なので、市販の書籍か資格スクールの講座を活用するのが一般的です。5月から社労士試験の法改正に関する教材が出始めます。
一度覚えた知識を覚え直す作業は、手間がかかります。
1日でも早く法改正の勉強に取りかかりましょう。
詳細はこちら >> 法改正を得点源にする方法
中期④ 白書・統計対策
白書とは、厚生労働白書と労働経済白書のことです。社労士試験では次の2科目で白書の内容が問われます。
- 労務管理その他労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
白書から労働統計や法改正に関する項目が出題されます。
厚生労働白書と労働経済白書は、厚生労働省のホームページで読むことが可能です。しかし、それぞれの白書が300ページ以上と情報量が膨大。白書をすべて読んで、試験で出題される箇所まで予想するのは困難です。
白書対策も、市販の書籍や資格スクールの講座を受講するのが一般的です。白書対策の教材は4月ごろから出始めます。
直前期に慌てないで済むように、白書の内容を少しずつ覚えていきましょう。
白書・統計対策のコツ
社労士試験の対策として白書を勉強する際のコツは、細かい数字を覚えようとしないこと。主要な労働統計の傾向を押さえるようにします。
- 上昇
- 低下
- 横ばい
- 何割くらい
- 過去最高・最低
雇用を取り巻く環境を、広く浅くつかむことを意識してください。
主要な労働統計
労働力調査、毎月勤労統計調査、雇用均等基本調査、就労条件総合調査、賃金構造基本統計調査
詳細はこちら >> 白書の出題ポイントを押さえる方法
中期⑤ 選択式試験の対策
中期は選択式試験の対策も行いましょう。
社労士試験の選択式は、以下のような問題が8問出題されます。5つの空欄に入る適切な語句を、与えられた20の選択肢の中から選ぶ形式です。
選択式も択一式も、試験で出題されるポイントは同じです。選択式の試験問題は毎年8問しか出題されないため、択一式の過去問を中心に学習を進めていきます。
しかし、択一式の問題演習だけでは選択式をクリアできません。選択式の正答率を上げるには、以下テクニックが必要です。
- 選択肢を見ずに空欄を埋めてみる
- 20個の選択肢を5つにグルーピングする
社労士試験の本番でテクニックを使いこなすためには、選択式の問題に慣れておく必要があります。
模試や市販の予想問題集、資格予備校のコースに含まれている練習問題などを活用して、選択式の解き方を身に付けましょう。
詳細はこちら >> 選択式試験の対策
やる気を保つコツはこちら >> モチベーションを維持する方法7選
直前期の勉強スケジュール
直前期(8月) |
総復習 |
問題演習 体調管理 数字や用語の暗記 |
直前期は8月です。社労士試験まで1ヶ月を切っています。いよいよラストスパートです。
8月は試験勉強以外の予定を入れないようにしましょう。あらかじめスケジュールを調整して、残業や出張はなるべく避けます。
お盆休みや有給休暇を使って、1分でも多く勉強時間を確保してください。特にラスト1週間の復習が重要です。社労士試験が行われる8月の第4週の平日に、まとめて有給休暇を取れれば効果大です。
不安になったからといって、新しい教材に手を出してはいけません。逆効果です。
- 消化できない
- 知識が曖昧になる
- もっと不安になる
教材を購入したからといって、逆転ホームランは起きません。今まで使ってきた教材を信じてやり抜きましょう。
直前期にやるべき対策は次の3つです。
直前期① 総復習
社労士試験の直前期は、過去問を中心に総復習をしていきます。しかし、すべての過去問を解いている時間はありません。
復習する範囲を絞るために、次の順番で問題を解いていきます。
- 3回連続で正解「〇」できていない問題
- 何度も出題されている基本問題
過去問を使った復習と並行して、法改正や白書、模試も見直します。模試で出題された法改正や白書に関する問題を重点的に復習してください。
時間が足りなければ、問題を解かなくても構いません。いきなり問題の解説を読んだあとに、問題文を確認しましょう。スピーディに復習ができます。
今までに覚えた知識を、8月にどれだけ呼び覚ませるかが勝負です。
直前期に苦手な分野を効率的に復習するためにも、問題演習のときは必ず正誤を記録するようにしましょう。
覚え方はこちら >> すぐに実践できる暗記方法10選
直前期② 体調管理
社労士試験の直前期は体調をしっかり管理してください。8月は猛暑日が続きます。体調を崩しやすいです。
試験は長丁場。トータル4時間50分です。
試験時間 | 開始〜終了時刻 | |
選択式 | 80分(1時間20分) | 10:30〜11:50 |
択一式 | 210分(3時間30分) | 13:20〜16:50 |
体調を崩した状態で4時間50分、集中力を保つのは難しいです。体調不良だと、大きなハンデを背負うことになります。
8月は試験勉強を最優先にしつつも、睡眠時間を削らないでください。なるべくエアコンが効いた快適な環境で学習しましょう。
夜型の方は、朝型にシフトしてください。
直前期③ 細かい数字や用語の暗記
直前期は、細かい数字まで正確に覚えましょう。社労士試験の出題の4割は数字が問われているからです。
選択式では、専門用語が空欄になることが多いです。数字や専門用語を知っているかどうかで、合否が決まります。
労働安全衛生法・労災保険法・雇用保険法・労働保険徴収法の4科目は、数字が得点に直結します。
科目 | 頻出の数字 |
労働安全衛生法 | 重量、人数 |
労災保険法 | 日数、金額 |
雇用保険法 | 日数、金額 |
労働保険徴収法 | 割合、日付 |
労働安全衛生法や雇用保険法では紛らわしい名称の単語が多いため、専門用語がよく狙われます。
科目 | 紛らわしい用語の例 |
労働安全衛生法 | 総括安全衛生管理者、安全管理者、安全衛生推進者 |
雇用保険法 | 就職促進給付、就業促進手当、就業手当 |
社労士試験では、それぞれの用語の違いを押さえておくことが重要です。
数字や専門用語を知っているだけで得点が伸びます。横断整理を活用して効率的に覚えましょう。
直前期8月の詳細はこちら >> 試験前日までの過ごし方
社労士試験の勉強を開始するまでの流れ
最適な学習方法は、人それぞれです。自分に合う社労士試験の勉強方法が見つかるように、以下の順番で考えてみましょう。
STEP1:いつ合格するか時期を決める
まず合格する時期を決めます。例えば「次回の社労士試験で合格する」などです。
目標次第で、試験までに残された時間が変わってきます。
- 半年(183日):4,392時間
- 1年(365日):8,760時間
- 1年半(548日):13,152時間
社労士試験は例年8月の第4日曜日に実施。合格するための学習時間の目安は、800〜1,000時間です。
試験日までに800時間以上を確保できるか、考えてみましょう。確保するのが難しい場合は、合格時期をずらすことも検討します。
「2025年の試験で合格する」と目標を設定した場合でも、2024年の試験は受験してください。社労士試験は1年に1回。受験した経験は貴重です。残念な結果に終わったとしても、経験は2025年の試験でプラスに働きます。
1回目の受験で、運良く合格できるかもしれません。
STEP2:学習スタイルを選ぶ
合格目標の次は、どうやって勉強していくかを考えます。社労士試験の学習スタイルは以下の3つです。
- 独学
- メリット:費用を抑えられる(2万円前後)
デメリット:挫折しやすい
教材:市販のテキストや問題集など - 通学
- メリット:モチベーションを保ちやすい
デメリット:費用が高い(20万円前後)
スクール:資格の学校TAC、資格の大原、LEC東京リーガルマインド(すべて公式サイト) - 通信講座
- メリット:場所や時間を気にせず講義を視聴できる
デメリット:独学よりは費用がかかる(10万円前後)
スクール:フォーサイト、スタディング、クレアール、アガルート、ユーキャン(すべて公式サイト)
ライフスタイルに合う学習方法を選択してください。
独学よりも通学・通信講座のほうが、合格できる可能性は高まります。
詳細はこちら >> 独学・通学・通信講座のメリットとデメリット
合格する可能性が確実に上がる!
STEP3:勉強スケジュールを立てる
社労士試験の学習スタイルが決まったら、ざっくりとした勉強スケジュールを立てます。
- 前期:学習開始から4月まで
- 中期:5〜7月まで
- 直前期:8月(試験日は8月の第4日曜日)
スケジュールはあくまで計画です。状況に合わせて柔軟に変更しましょう。
試験日までの流れや学習の手順を把握することが、スケジューリングの目的です。
直前期8月の詳細はこちら >> 試験前日までの過ごし方
試験当日の詳細はこちら >> 本番で失敗しない心構えとテクニック
STEP4:1日の勉強時間を決める
社労士試験の勉強スケジュールが決まったら、1日の勉強時間を決めましょう。毎日の学習の目安にするためです。
合格に必要な勉強時間の目安は800〜1,000時間。目標にする総勉強時間を試験までの日数で割って、1日の学習時間を求めます。
以下は半年間と1年間の学習期間で、800時間と1,000時間に到達するために必要な1日の勉強時間です。
総勉強時間 | 半年間 | 1年間 |
---|---|---|
800時間 | 4時間23分/日 | 2時間12分/日 |
1,000時間 | 5時間28分/日 | 2時間45分/日 |
半年で合格を目指すなら1日に4〜6時間、1年なら1日に2〜3時間の勉強が必要です。
初めて社労士試験の勉強をする方でも、1,000時間学習すれば合格レベルに到達できます。
まずは1,000時間を目標に、学習をスタートしてみてください。
勉強を習慣化する方法
以下のように学習する時間帯を固定すると、勉強が習慣になりやすいです。
- 通勤前の6時〜7時までの1時間
- 昼休みの12時30分〜13時までの30分間
- 帰宅後、21時〜22時までの1時間
いろいろなパターンを試して、最適な1日のルーティーンを作り上げましょう。
詳細はこちら >> 合格に必要な勉強時間と時短方法7選
1日のタイムスケジュールを決めておく
1日の基本的なタイムスケジュールも決めておきましょう。計画に沿って勉強していくだけで、習慣となり、安定的に学習時間を確保できるようになります。あなたのライフスタイルに合う勉強スケジュールが見つかるまで、変更を加えてください。
毎日のスタートは復習から始め、頭を使う問題演習は午前中に行うと効果的です。脳が疲れてくる午後からは、講義を視聴するといった負荷が軽い学習をするのがおすすめ。
平日と休日は分けて、タイムスケジュールを組むとわかりやすいです。以下は平日の一例です。
平日 | タスク | 勉強時間 |
6:00〜7:00 | 前日の復習と問題演習 | 1時間 |
7:00〜9:00 | 支度中に音声で講義を聞く 通勤電車の中で問題演習 | 0.5時間 |
9:00〜12:00 | 勤務 | 0時間 |
12:00〜13:00 | 昼休み中に問題演習 | 0.5時間 |
13:00〜18:00 | 勤務 | 0時間 |
18:00〜19:00 | 通勤電車の中で問題演習 歩きながら講義を聞く | 0.5時間 |
19:00〜21:00 | 夕食 お風呂の中で講義を聞く | 0.5時間 |
21:00〜22:00 | 講義を視聴する | 1時間 |
合計 4時間 |
スキマ時間に問題演習をし、ながら時間に講義に聞くと効果的に時間を使えます。合計すれば、平日でも3時間以上、勉強することは十分可能です。
続いて休日の一例です。
休日 | タスク | 勉強時間 |
6:00〜8:00 | 前日の復習と問題演習 | 2時間 |
8:00〜9:00 | 朝食と身支度 | 0時間 |
9:00〜12:00 | 用事がなければ問題演習 | 3時間 |
12:00〜13:00 | 昼食と休憩 | 0時間 |
13:00〜15:00 | 用事がなければ講義を視聴 | 2時間 |
15:00〜16:00 | 休憩 | 0時間 |
16:00〜17:00 | その日の復習 | 1時間 |
合計 8時間 |
休日は用事がなければ勉強する、という時間帯を設定しておくことがミソです。社労士試験の勉強は長距離走です。ご自身にも、ご家族にも過度なストレスがかからないように、無理のないタイムスケジュールを組むようにしましょう。
挫折しない勉強スケジュールで社労士試験に最短合格しよう
社労士試験の勉強を開始するのに最適な時期は9月。翌年8月の試験に向けて、新しい教材が出始める時期が9月だからです。それは独学であっても同じです。
学習を始める前にスケジュールを立てましょう。試験日までの流れを明確にイメージできていれば、挫折することなくゴールへたどり着けます。
次の3つの期間に分けて勉強スケジュールを立てると、管理がしやすいです。
- 前期:勉強開始から4月まで
- 中期:5〜7月まで
- 直前期:8月(試験日は8月の第4日曜日)
社労士試験は範囲が広いため、学習期間は短くても半年、長ければ1年以上に及びます。
持続可能な勉強スケジュールを立て、最短で合格しましょう。
合格する可能性が確実に上がる!