雇用保険法の覚え方【社労士試験で7割以上得点したい科目の攻略法】

雇用保険法の覚え方【社労士試験で7割以上得点したい科目の攻略法】
  • 失業保険と雇用保険の違いは?
  • 雇用保険法って、難しいの?
  • 社労士試験の得点につながる覚え方が知りたい

「会社を辞めたら失業保険がもらえる」と思っている人は多いです。実は、失業保険というのは通称正しくは雇用保険法の失業等給付を受け取れます。

社会保険労務士試験の雇用保険法は難しい科目ではないです。しかし、得点を重ねるには、20以上の給付金や手当の名称と支給要件、支給額を正確に覚える必要があります。苦手意識をもっている受験生も多いです。

私は2014年の試験に合格した現役社労士です。

>> 筆者のプロフィールはこちら

この記事では、社労士試験の雇用保険法で7割以上の得点を確保するための勉強法を解説。記事を読めば、合格に大きく前進できます。

雇用保険法は、似たような名称の給付がたくさんあります。「どの給付について勉強してしているのか」がひと目でわかるように、全体図を見ながら勉強してください。

社労士やま
社労士やま

雇用保険法を学習する際は、全体図をいつも横に置いておきましょう。

支給要件

雇用保険の給付を受けるための条件のことです。

雇用保険法の全体図

雇用保険法の全体像をマインドマップ化
雇用保険法の全体像をマインドマップ化

合格する可能性が確実に上がる!

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社労士試験|雇用保険法の目的は3つ

左手を上げて、遠くを指差している女性

雇用保険法の前身「失業保険法」が施行されたのが1947年。1975年に雇用保険法に改称されて、現在に至ります。

目的は以下の3つです。

  • 労働者の生活と雇用の安定を図る
  • 就職を促進する
  • 労働者の職業の安定を図る

上記の目的を達成するために雇用保険法には、「失業等給付」「育児休業給付」「雇用保険二事業」という3つの事業があります。

雇用保険事業の3本柱をマインドマップ化
雇用保険法の3事業
失業等給付
・労働者が失業したときの給付
・労働者が教育訓練を受けたときに費用を補てんする給付
・加齢や家族の介護などで働き続けることが難しくなったときに会社を辞めることなく働くことができるように援助する
育児休業給付
・育児休業中に給与が下がったり、無給になったりした労働者が、退職せずに働き続けることができるようにするための給付
雇用保険二事業
・会社等へ助成金や奨励金などを支給する事業

雇用保険法は3つの事業で、労働者の生活の安定を支えているのです。

社労士やま
社労士やま

社労士試験の雇用保険法では、失業等給付がいちばん出題されます。

>> 試験の全体像はこちら

社労士試験|雇用保険法の点数配分と出題傾向

左手の人差し指を立てて微笑んでいる男性

社労士試験の科目における、雇用保険法の概要を次の2つの観点から解説します。

  • 点数配分
  • 過去5年間の出題

点数配分

モニターの前で解説をしている女性

雇用保険法の点数配分は以下になります。

雇用保険法労働保険徴収法合計
選択式
試験
5空欄
(5点)
5空欄
(5点)
択一式
試験
7問
(7点)
3問
(3点)
10問
(10点)
雇用保険法と労働保険徴収法の点数配分

択一式試験では、「雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)」という形で出題。雇用保険法と労働保険徴収法がセットになって1科目です。

雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
実際の試験問題

社労士試験の雇用保険法の合格基準点は以下のとおり。

  • 選択式:3点以上(5点満点)
  • 択一式:雇用保険法と労働保険徴収法を合計した得点が4点以上(10点満点)

例年、択一式試験では問1〜問7が雇用保険法の問題になっています。

雇用保険法労働保険徴収法
選択式
試験
空欄A〜D
(5つ)
択一式
試験
問1〜問7
(7問)
問8〜問10
(3問)
「雇用保険法(労働保険徴収法含む)」例年の出題数

試験の全体に占める、雇用保険法の点数の割合は次のとおりです。

割合雇用保険法の点数総点数
選択式
試験
12.5%5点40点
択一式
試験
10%7点70点
社労士やま
社労士やま

総点数に占める雇用保険法の割合は、選択式で12.5%、択一式で10%です。

>> 合格基準の詳細はこちら

>> 得点を稼ぎやすい労働保険徴収法の攻略方法

出題傾向

パソコンで右肩上がりのグラフを見て喜んでいる男性

社労士試験における、雇用保険法の直近5年間の出題は以下のとおりです。

「基本手当」が最重要です。「総則・通則」からも、よく出題されます。続いて「雇用継続給付」「その他求職者給付」「雇用保険二事業」「就職促進給付」の順番です。

2017年2018年2019年2020年2021年
総則・通則選択
択一①
択一❶
択一②
択一❶
択一①選択
択一❶
択一②
基本手当択一②
択一❶
選択
択一②
選択
択一②
択一❶
択一②
択一❶
選択
択一②
その他の求職者給付択一❶択一①
択一❶
択一①
就職促進給付択一①択一①択一❶
教育訓練給付択一❶択一①
雇用継続給付択一①選択
択一①
選択
択一①
育児休業給付択一❶択一①
雇用保険二事業選択
択一①
択一❶択一①
費用の負担択一❶択一❶
不服申立て及び訴訟等択一❶択一❶択一①
択一❶
(出典:うかる!社労士テキスト&問題集2022年度版)
  • 択一:択一式試験で出題
  • 選択:選択式試験で出題
  • ①〜②:1問で出題された数
  • ❶:1問の一部分で出題された数

雇用保険法は「基本手当」と「総則・通則」を中心に、全範囲から満遍なく出題されています。

社労士やま
社労士やま

基本手当がわかれば、ほかの給付も理解できるようになります。

基本手当

雇用保険法の中核となる給付。「失業保険をもらっている」というときは、基本手当を受給している場合が多いです。

>> 合格基準点を超えるための択一式と選択式対策

社労士試験|雇用保険法を攻略するための覚え方

遠くを見ている男女

雇用保険法の勉強法を、2つに分けて解説します。

  • 全体
  • 項目ごと

全体

都会の景色

雇用保険法の難易度と、学習にかけるべき時間の比重度は次のとおりです。

雇用保険法
難易度
(3.0 / 5.0)
学習時間の比重度
(4.0 / 5.0)

社労士試験の雇用保険法の難易度は「普通」。雇用保険法は全体像がつかめれば一気に理解が進む科目です。じっくり学習して、択一式試験で7点満点中5点以上の得点を狙いましょう。

社労士やま
社労士やま

覚えるためのポイントは以下の5つです。

(クリックすると各項目にジャンプします。)

全体図を見ながら学習する

テーブルで打ち合わせをしている男女

社労士試験の雇用保険法を学習するときは、全体図をそばに置くようにしましょう。

雇用保険法で知っておく必要がある給付や手当、事業は40個あります。漠然とテキストを読んだり、過去問を解いていたりすると、どこの何の勉強しているのか、わからなってしまいます

雇用保険法は似たような名称の用語が多いのも特徴です。

  • 就職促進給付
  • 就業促進手当
  • 就業促進定着手当
  • 高年齢雇用継続給付
  • 高年齢雇用継続基本給付金
  • 高年齢再就職給付金

それぞれの給付の違いと関係性を頭の中だけで整理するは難しいです。

全体図を横に置いて、学習している箇所を常に意識するようにしましょう。例えば、「今、雇用保険法→失業等給付→就職促進給付→就業促進手当→就業促進手着手当を勉強している」などです。

雇用保険法の全体像をマインドマップ化。赤枠を追加。
雇用保険法の全体図

テキストを読んだり、過去問を解いたりするたびに全体図を見れば、雇用保険法の各給付の名称や関係性が自然と頭に入ります

全体図は自分で書いてもいいし、マインドマップ(XMind)で作ってもOKです。使用している教材に全体図があれば、コピーして使ってください。

社労士やま
社労士やま

自分で作った全体図のほうが愛着がわいて、覚えやすかったりします。

筆者の雇用保険法の全体図

筆者が使っていた雇用保険法の全体図。A4サイズ
2014年当時の雇用保険法の全体図。大枠にポイントを赤字で追記(A4サイズ)

法改正の対策をする

まっさらな紙を手渡しているイラスト

雇用保険法は法改正の対策が必要です。

法改正

法律の改正のこと。社労士試験では「法改正」と略して呼ぶことが多いです。

雇用は経済や社会の変化と密接に関わっています。雇用保険法は変化に合わせて、改良され続けているのです。

社労士試験では、法改正があった箇所は出題される可能性がグッと高くなります。法改正の対策は必ず講じるようにしましょう。

社労士やま
社労士やま

法改正の対策は、専用の教材を活用するのが一般的です。

詳しくはこちら >> 法改正を得点源にする方法

語呂合わせで覚える

楽しそうに勉強をしている女性

社労士試験の雇用保険法には、数字や紛らわしい用語がたくさん出てきます。なかなか記憶できない論点は、語呂合わせ(ゴロ)を活用すると簡単に覚えることができます。

雇用保険法の有名なゴロは、「コチコゼンクン」。基本手当を受けている人が、2以上の延長給付の対象となったときの優先順位を頭文字で表現したゴロです。

  1. 別延長給付()、域延長給付()
  2. 域延長給付()
  3. 国延長給付(ゼン)
  4. 練延長給付(クン)

「コチコゼンクン」と唱えるだけで、基本手当の延長給付の優先順位をすぐに思い出せます。

語呂合わせ専門の社労士試験の教材が市販されていますが、自作するのもおすすめです。教材に最適なゴロがないときは、どんどん自作しましょう。以下は私が作った雇用保険法に関するゴロです。

雇用の待機はTセブン
基本手当の待機期間は、通算7
就業手当さん
就業手当の額は、基本手当日額に3/10を乗じて得た額

ゴロは響きとインパクトが重要。変な内容のほうが、印象に残って覚えやすかったりします。

社労士やま
社労士やま

苦手な箇所はゴロを積極的に使って、ラクに覚えましょう。

所定給付日数は眺めて暗記する

まっさらな白い紙に書き込んでいるイラスト

基本手当の所定給付日数は必ず暗記してください。

所定給付日数

基本手当を受けることができる日数のこと。基本手当の額は以下の算式で求めます。

基本手当=基本手当日額×所定給付日数

所定給付日数は2015年の社労士試験を最後に出題されていませんが、もともとは重要論点。記憶しておかないと、選択式で出題されたときに致命傷を負ってしまいます。

所定給付日数の覚え方は簡単です。

  1. 手書き、またはエクセルで所定給付日数の表を紙に書き写す
  2. その紙を1日1回、眺める
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
45歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日210日240日
特定受給資格者の所定給付日数

毎日、紙を眺めるだけで、1ヶ月もかからないうちに所定給付日数を覚えることができます。写真を撮るような感じで、右脳が表ごと記憶してくれるのです。

社労士試験の直前期(8月)は超多忙です。暗記・復習しなければならない数字がたくさんあります。

図や表を見るだけで頭に残る数字は、普段から眺めて覚えるようにしましょう。

社労士やま
社労士やま

図や表は、右脳がイメージ情報として記憶します。

人間の右脳と左脳

筆者が眺めていた所定給付日数

筆者が使っていた雇用保険法の所定給付日数の図表。A4サイズ
所定給付日数をA4紙に印刷して携帯

覚え方はこちら >> 脳裏から離れない記憶術9選

基本手当をベースに知識をプラスする

握手をしている男女

雇用保険法には20以上の給付金や手当がありますが、給付の中心は基本手当です。基本手当が「その他の給付」のベースとなっていることが多いため、まずは基本手当を完璧に覚えましょう

以下は失業等給付の支給額です。(一部の給付だけを抜粋)

支給額
基本手当日額60歳未満:賃金日額×50/100〜80/100
60歳以上65歳未満:賃金日額×45/100〜80/100
傷病手当基本手当日額相当額
高年齢求職者給付金基本手当日額相当額×30日または50日分
特例一時金基本手当日額×30日分(当分の間は40日分)
就業手当基本手当日額×30%
再就職手当基本手当日額×支給残日数×60%または70%
常用就職支度手当基本手当日額等×90×4/10
失業等給付の支給額一覧表(一部抜粋)

傷病手当や高年齢求職者給付金の支給額は、基本手当の日額がベースになっていることがわかります。基本手当という幹を作ったあとに、枝葉として「その他の給付」の知識を足していくと効率的に記憶することができます。

雇用保険法の全体像を意識しながら、基本手当と「その他の給付」の共通点や相違点を押さえていきましょう

社労士やま
社労士やま

基本手当との共通点や相違点は、横断整理の教材にまとめられていることが多いです。

>> 横断整理をすると覚えるのがラク

項目ごと

4人の手のイラスト

社労士試験に出題される、雇用保険法の項目ごとの攻略ポイントは以下になります。

総則・通則
雇用保険法の目的、適用事業などの全体像がまとめられている。第1条の目的条文、被保険者の定義と種類、被保険者に関する届出の期日は頻出。正確に覚える。
基本手当
必ず出題される最重要テーマ。受給資格、失業の認定、待機期間、基本手当の日額、所定給付日数、受給期間、給付制限を理解して、得点源にする。
その他の求職者給付
基本手当以外の求職者給付。基本手当と比較、または関連付けながら覚える。日雇労働求職者給付金は基本手当と異なる点が多いため要注意。
就職促進給付
失業している人の再就職を促進するための給付。就業促進手当の4つの給付「就業手当」「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」の相違点が問われる。正確に記憶する。
教育訓練給付
自己啓発のために資格スクールに通った場合などの受講費用を補助する給付。費用の2〜7割が支給される。支給要件、支給要件期間、支給額、支給申請手続、教育訓練支援給付金の支給要件を覚える。
雇用継続給付
加齢や介護が原因で雇用の継続が危うくなったときに、離職せずに雇用を継続してもらうために支給するもの。高年齢雇用継続給付の「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の違い、介護休業給付金の支給要件を覚える。
育児休業給付
育児休業中の生活を支援するための給付。最長で子供が2歳になるまで、収入の67%または50%を支給。育児休業給付金の支給要件や支給額、支給申請手続を押さえる。
雇用保険二事業
会社等へ助成金や奨励金などを支給する事業。雇用安定事業と能力開発事業、就職支援法事業の違いを理解する。
費用の負担
失業等給付に係る国庫負担の割合を覚える。
不服申立て及び罰則
不服申立てをするときの手順を理解する。
社労士やま
社労士やま

雇用保険法は全体像をつかんで、給付を一つずつ理解していけば必ずマスターできます。

学習の基本はこちら >> 最短合格できる勉強方法

試験当日の対策はこちら >> 本番で失敗しない心構えとテクニック

社労士試験の雇用保険法を正確に覚えて7割以上得点しよう

手をつないでいる老若男女

社労士試験の雇用保険法は難解な科目ではありません。効果的な学習を重ねれば択一式試験で7点満点中5点以上、得点することは十分可能です。

効果的に覚えるために、5つのポイントを重視しましょう。

  • 全体図を見ながら学習する
  • 法改正の対策をする
  • 語呂合わせで覚える
  • 所定給付日数は眺めて暗記する
  • 基本手当をベースに知識をプラスする

雇用保険法は全体像をつかめれば、理解が一気に深まります。苦手意識をもたずに、暇さえあれば全体図を眺めるようにしてください。

社労士やま
社労士やま

雇用保険法で7割以上得点でれきば、社労士試験の合格に大きく近づきます。

>> 得点を稼ぎやすい労働保険徴収法の攻略方法

聴くだけで基礎を身につける方法

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