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- 社労士試験の労働安全衛生法って何?
- どんな内容を勉強するの?
- 省エネで攻略できる方法が知りたい
労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を確保するための法律。安衛法は社会保険労務士試験でもっとも出題数が少ない科目ですが、細かな規定が多く、情報量は多いです。学習のポイントをつかんでおかないと、労働安全衛生法から抜け出せなくなる危険性があります。
この記事では、労働安全衛生法を省エネでマスターする方法を解説。記事を読めば、時間をかけずに済むため、ほかの科目の勉強に注力できます。
社労士試験の労働安全衛生法は、出題される項目が次の4つに集中しています。
- 安全衛生管理体制
- 総則等
- 安全衛生教育等
- 健康診断等
労働安全衛生法は、数字を押さえれば得点できる問題が多いです。
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社労士試験|労働安全衛生法の目的
労働安全衛生法は、1972年に労働基準法から分離してできた法律です。目的は次の2つ。
- 職場における労働者の安全と健康を確保する
- 快適な職場環境の形成を促進する
労働安全衛生法には、労働者の安全と健康を確保するために、事業者が守らなければならないルールが定められています。
労働安全衛生法は、事業者に向けて作られた法律といえます。
事業者
事業の経営主体のことです。個人経営では事業主個人、法人組織なら法人そのものが該当します。労働基準法における「使用者」とは範囲が異なります。労働安全衛生法の事業者は、労働基準法の使用者の定義よりも範囲が狭いです。
社労士試験|労働安全衛生法の点数配分と出題傾向
社労士試験の科目における、労働安全衛生法の概要を次の2つの視点から解説します。
点数配分
労働安全衛生法の点数配分は以下になります。
労働基準法 | 労働安全衛生法 | 合計 | |
選択式 試験 | 3空欄 (3点) | 2空欄 (2点) | 5空欄 (5点) |
択一式 試験 | 7問 (7点) | 3問 (3点) | 10問 (10点) |
社労士試験では、「労働基準法及び労働安全衛生法」で1科目です。選択式試験が1問(5空欄)、択一式試験が10問、出題されます。
労働基準法と労働安全衛生法を合計した得点が「選択式で3点以上かつ択一式で4点以上」であれば、科目クリアです。
例年、選択式試験は空欄DとE、択一式では問8〜問10が労働安全衛生法の問題になっています。
労働基準法 | 労働安全衛生法 | |
選択式 試験 | 空欄A〜C (3つ) | 空欄D、E (2つ) |
択一式 試験 | 問1〜問7 (7問) | 問8〜問10 (3問) |
以下は実際の選択式試験の問題です。
試験の全体に占める、労働安全衛生法の点数の割合は以下の通り。
割合 | 労働安全衛生法の点数 | 総点数 | |
選択式 | 5% | 2点 | 40点 |
択一式 | 4.3% | 3点 | 70点 |
社労士試験の総点数に占める労働安全衛生法の割合は、選択式で5%、択一式で4.3%しかありません。
選択式・択一式ともに、労働安全衛生法の出題数は最少です。
過去5年間の出題傾向
社労士試験における、労働安全衛生法の直近5年間の出題は次のとおりです。
いちばん出題されているのは「安全衛生管理体制」。続いて「総則等」「安全衛生教育等」「健康診断等」の順番になります。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
総則等 | 選択 | 択一① | 択一① | 選択 | |
安全衛生管理体制 | 選択 択一❶ | 選択 択一① | 選択 択一❶ 択一② | 択一❸ | 選択 |
機械等・ 有害物 | 択一❶ | 択一② | 択一❷ | ||
安全衛生教育等 | 択一❶ | 選択 | 選択 | ||
作業環境測定 | |||||
健康診断等 | 択一❶ | 選択 択一❶ | 選択 択一❶ | ||
計画の届出・ 報告等 | 択一① | 択一① |
- 択一:択一式試験で出題
- 選択:選択式試験で出題
- ❶〜❸:1問で出題された数
- ①②:1問の一部分で出題された数
労働安全衛生法の出題は、「安全衛生管理体制」「総則等」「安全衛生教育等」「健康診断等」の4項目に集中しています。よく出る4項目に的を絞って勉強することが、攻略するカギです。
各項目の関連性は薄いです。労働安全衛生法は順番に学習する必要はありません。
2023年の試験員
社労士試験は、問題作成を担当した試験委員が公表されています。2023年の労働基準法と労働安全衛生法を作問した方々(敬称略)は次の7名です。
- 石川 公彦
- 沖縄大学 経法商学部 経法商学科 教授
- 大木 栄一
- 玉川大学 経営学部 国際経営学科 教授
- 小畑 史子
- 京都大学 大学院人間 環境学研究科 教授
- 佐野 正照
- 社会保険労務士 元大阪中央労働基準監督署長
- 柴田 洋二郎
- 中央大学 法学部 教授
- 永野 仁美
- 上智大学 法学部 法律学科 教授
- 丸谷 浩介
- 九州大学 法学研究員 公法・社会法学部門 社会法学 教授
試験員7名中、6名が大学教授です。
社労士試験|労働安全衛生法の攻略方法
社労士試験の労働安全衛生法を攻略する方法を、2つに分けて解説します。
全体
労働安全衛生法の難易度と学習にかけるべき時間の比重度、法改正の多少は、次の通りです。
労働安全衛生法 | |
難易度 | (3.0 / 5.0) |
学習時間の比重度 | (1.0 / 5.0) |
法律の改正 | 少ない |
社労士試験の労働安全衛生法の難易度は「普通」。出題数が少ないため、時間を費やすべき科目ではありません。2022年の本試験では、法改正に関する出題はありませんでした。
攻略するためのポイントは以下の4つです。
(クリックすると各項目へジャンプします。)
よく出る項目を中心に学習する
労働安全衛生法は出題に偏りがあります。よく出ている項目を中心に学習を進めましょう。優先順位は以下のとおりです。
- 安全衛生管理体制
- 総則等
- 安全衛生教育等
- 健康診断等
- 機械等・有害物
- 計画の届出・報告等
- 作業環境測定
特に「安全衛生管理体制」「総則等」「安全衛生教育等」の3項目からは、ほぼ毎年出題があります。頻出の3項目で最低でも、選択式と択一式で1点ずつ確保できるように、しっかり準備をしてください。
作業環境測定に関する事項は、直近5年間で出題されていません。しかし選択式でポッと出てくる可能性があります。記録の保存期間などの主要な論点は覚えておきましょう。
選択式で致命傷を負わないように頻出の4項目以外の範囲も、広く浅く押さえるようにしてください。
学習の基本はこちら >> 最短合格できる勉強方法
専門用語を覚える
労働安全衛生法には、たくさんの専門用語が出てきます。以下についての知識は最低限必要です。
- 一般的安全衛生管理体制
- 安全委員会等
- 請負関係における安全衛生管理体制
労働安全衛生法では、それぞれの単語の意味や役割はもちろんこと、「選任」や「設置」する要件についても問われます。
関係性のある用語は、図や表、マインドマップでまとめたものを見ながら覚えるのがおすすめ。つながりや全体像がわかるため、頭に入りやすいです。
総括安全衛生管理者は「ソーカツ」、統括安全衛生責任者は「トーカツ」と呼んで区別していました。
数字を覚える
労働安全衛生法は、数字が正誤の判断ポイント(論点)になることが多いです。以下は過去に出題された選択式試験の問題です。↓
空欄には「2メートル」という数字が入ります。
続いて択一式試験の問題です。↓
上記択一式の問題の正解は、「50人」。社労士試験の出題の4割は数字が論点になっていますが、労働安全衛生法はさらに高い確率で数字が問われます。
数字を覚えるのに適しているのが、語呂合わせ(ゴロ)です。以下は私が受験生のときに自作したゴロです。
- 推進者はイチ、サン、GO〜
- 安全衛生推進者・衛生推進者になるには、大卒・高専卒は1年、高卒・中卒は3年、又は5年の安全衛生の実務に従事した経験が必要
- 安全管理は西(ニシ)直樹
- 安全管理者になるには、厚生労働大臣の定める研修を修了した者で、大卒・高専卒は2年、高卒・中卒は4年の産業安全の実務に従事した経験が必要
全部で249個のゴロを自作しました。語呂合わせ専門の教材も市販されています。ゴロを活用すると、無機質な数字を楽に覚えることができます。
西直樹は、中学生時代の同級生のフルネーム。ゴロは「響き」と「インパクト」が大切です。
義務と努力義務を区別する
労働安全衛生法では、「義務」と「努力義務」をはっきり区別できるようになりましょう。よく問われます。
- 義務:なければならない
- 努力義務:努めなければならない
以下は実際に出題された問題です。↓
上記過去問の内容は誤り。正解は「周知させなければならない」です。
続いても、努力義務が論点になった試験問題です↓
上記過去問の内容も間違っています。正しくは「義務とされている」です。
労働安全衛生法では「義務」か「努力義務」なのかが、よく論点になります。
普段の学習から、語尾や述語の細かな違いを意識するようにしてください。
項目ごと
労働安全衛生法の項目ごとの攻略ポイントは以下のとおりです。
- 総則等
- 労働安全衛生法の目的や用語の定義がまとめられている。第一条の目的条文、事業者等の責務は頻出。
- 安全衛生管理体制
- もっとも出題されている項目。一般的安全衛生管理体制、安全委員会・衛生委員会、請負関係における安全衛生管理体制は必ず押さえる。
- 機械等・有害物
- 危険な機械や有害物に関する規制がまとめられている。特定機械等と特定機械等以外の機械等の違い、有害物の規制(禁止・製造許可)を覚える。
- 安全衛生教育等
- 業務に就くときの安全衛生に関する教育事項が定めらている。雇入れ時・作業内容変更時の教育と省略できる内容、特別教育と職長等の教育の違い、就業制限に係る業務を押さえる。
- 健康診断等
- 健康診断や作業環境測定について学ぶ。健康診断は、安全衛生管理体制の次によく出題される項目。「誰に」「どんな検査を」「どのくらいの頻度で」行うかを中心に覚える。
- 計画の届出・報告等
- 労働者に危険が及ぶのを防止するために必要な届出や、報告義務が定められている。届出や報告の提出期限を押さえる。
「デリック」「シャー」などの聞き慣れない単語は、画像検索をしてみましょう。イメージがわきます。
試験当日の対策はこちら >> 本番で失敗しない心構えとテクニック
社労士試験の労働安全衛生法まとめ
社労士試験における労働安全衛生法からの出題は、択一式3問(3点)、選択式で2空欄(2点)。もっとも出題数が少ない科目です。
学習に時間をかけるのは得策ではありません。次の4つの項目を重点的に学習し、択一式で1〜2点、選択式で1点を確保できるようになりましょう。
- 安全衛生管理体制
- 総則等
- 安全衛生教育等
- 健康診断等
労働安全衛生法は、数字が問われることが多いです。直前期に慌てないで済むように、普段の学習から数字を意識するようにしてください。語呂合わせを使うと、数字をラクに暗記できます。
労働安全衛生法を省エネでマスターして、社労士試験に最短で合格しましょう。
聴くだけで基礎を身につける方法
文字を読まなくても、音声を聴くだけで労働安全衛生法の基礎が自然に身につく方法があります。
「歩きながら」「歯を磨きながら」「お風呂に入りながら」聴くだけで、労働安全衛生法の全体像がスッと頭に入ります。
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