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- 年金って難しそう
- 国民年金と厚生年金の違いは?
- 社労士試験の国民年金法の覚え方が知りたい
国民年金は全国民共通の基礎年金です。厚生年金は会社員や公務員が対象の年金で、国民年金の上乗せとなる制度。厚生年金保険法をマスターするには、基礎となる国民年金法の理解が欠かせません。
この記事では、社労士試験の国民年金法で8割以上得点するための効果的な覚え方を解説。記事を読めば、苦手意識を払拭できます。
学習するときは、次の5つのポイントを押さえてください。
社労士試験における国民年金法は、得点を取りにいく「攻め」の科目です。
日本の公的年金制度
合格する可能性が確実に上がる!
社労士試験|国民年金法の目的
国民年金法は次の3つの要因によって、国民の生活の安定が損なわれないようにするための法律です。
- 老齢
- 障害
- 死亡
国民年金は年をとったり、病気やケガで障害が残ったり、配偶者が死亡したりしたときに所得を保障することを目的に作られた制度。受給資格者に対して、国から年金が支給されます。厚生年金も目的は同じです。
国民年金と厚生年金との大きな違いは、加入できる対象者です。
- 国民年金:全国民が対象
- 厚生年金:会社員や公務員などの被用者が対象
国民年金は原則として全国民に加入が義務付けられています。厚生年金は被用者のみが対象となっているため、自営業者は厚生年金に加入できません。
公的年金は「2階建て」と表現されます。建物の1階に当たるのが「国民年金」、2階が「厚生年金」です。
日本の年金制度は次の3つに大別できます。
- 公的年金:国民年金、厚生年金
- 企業年金:確定拠出年金、確定給付企業年金など
- 個人年金:民間の保険
企業年金は社労士試験の出題範囲です。「社会保険に関する一般常識」で学習します。
必ず、基礎となる国民年金法を学んだ後に厚生年金保険法を勉強しましょう。
日本の年金制度の全体像
社労士試験|国民年金法の点数配分と出題傾向
社労士試験の科目における、国民年金法の概要を次の2つの視点から解説します。
点数配分
国民年金法の点数配分は以下になります。
国民年金法 | |
選択式 試験 | 5点 (5空欄) |
択一式 試験 | 10点 (10問) |
満点は選択式で5点、択一式で10点です。
国民年金法の合格基準点は次のとおり。
- 選択式:3点以上(5点満点)
- 択一式:4点以上(10点満点)
試験の問題が難しく受験者の点数が低い科目は、合格基準点の引き下げ(救済措置)が行われる場合があります。
試験の全体に占める、国民年金法の点数の割合は以下になります。
割合 | 国民年金法の点数 | 総点数 | |
選択式 試験 | 12.5% | 5点 | 40点 |
択一式 試験 | 14.3% | 10点 | 70点 |
国民年金法は健康保険法と厚生年金保険法と並び、社労士試験の中でもっとも配点が高い科目の一つです。
過去5年間の出題
社労士試験における、国民年金法の直近5年間の出題は次のとおりです。
出題の中心は、「被保険者」「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」「費用」「不服申立て及び雑則」です。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
総則 | 選択 択一① | 選択 択一① | 選択 択一② | ||
被保険者 | 択一⑤ | 択一⑥ | 択一❶ 択一⑤ | 選択 択一⑥ | 選択 択一③ |
給付の通則 | 択一② | 択一③ | 選択 択一③ | 択一① | 択一⑥ |
老齢基礎年金 | 択一④ | 択一④ | 択一④ | 択一④ | 択一⑤ |
障害基礎年金 | 択一④ | 択一③ | 択一⑤ | 選択 択一③ | 択一⑤ |
遺族基礎年金 | 択一③ | 選択 択一③ | 択一④ | 択一④ | 択一③ |
その他の給付 | 択一② | 択一⑦ | 択一③ | 選択 択一③ | 択一③ |
給付の制限 | 択一② | 択一① | 択一① | ||
積立金の運用 | 選択 | ||||
費用 | 選択 択一❶ 択一④ | 選択 択一④ | 択一③ | 択一⑤ | 択一⑥ |
不服申立て及び雑則 | 選択 択一③ | 択一④ | 択一② | 択一❶ 択一② | 選択 択一② |
国民年金基金 | 択一③ | 択一② | 択一④ | 選択 択一② | 択一② |
- 択一:択一式試験で出題
- 選択:選択式試験で出題
- ❶:1問で出題された数
- ①〜⑦:1問の一部分で出題された数
「積立金の運用」を除く、全範囲から満遍なく出題されます。国民年金法を攻略するには、すべての項目をバランスよく学習し、苦手な分野を作らないことが求められます。
老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金を中心に学習しましょう。
2023年の試験員
社労士試験は、問題作成を担当した試験委員が公表されています。2023年の国民年金法を作問した方々(敬称略)は次の9名です。
- 甘利 公人
- 上智大学法学部 法律学科 元教授
- 石田 重森
- 福岡大学 商学部 元教授・元学長
- 佐野 誠
- 福岡大学法学部 元教授
- 土田 武史
- 早稲田大学 商学部 元教授
- 出口 正義
- 筑波大学 大学院 人文社会科学研究科 元教授
- 中浜 隆
- 小樽商科大学 商学部 教授
- 原 佳奈子
- 社会保険労務士
- 深澤 理香
- 社会保険労務士
- 百瀬 優
- 流通経済大学 経済学部 大学院 経済学研究科 教授
試験員9名中、7名が大学教授経験者です。
社労士試験|国民年金法で8割以上得点するための覚え方
社労士試験の国民年金法で8割以上得点するための覚え方を、2つに分けて解説します。
全体
国民年金法の難易度と学習にかけるべき時間の比重度、法改正の多少は次のとおりです。
国民年金法 | |
難易度 | (4.0 / 5.0) |
学習時間の比重度 | (5.0 / 5.0) |
法律の改正 | 多い |
社労士試験の国民年金法の難易度は「やや難しい」。配点が高く、厚生年金保険法の前提となる部分が多いため、理解できるまでじっくり学習しましょう。
年金制度を持続させるために、毎年、細かな改正が行われています。
近年は通達に関する問題や事例問題が増えているため、国民年金法の難易度が上がっています。とはいえ、規定が作られた理由や趣旨がわかれば、理解することは難しくありません。年金科目では、厚生年金保険法のほうが問題が難しい傾向にあるため、国民年金法で得点を稼ぐ必要があります。
次の5つのポイントを押さえて学習しましょう。(クリックすると各項目にジャンプします。)
国民年金法の目標は、択一式で8点以上、選択式で3点以上の得点です。
理解を心がける
社労士試験の国民年金法を学習する際は、理解することを心がけましょう。理解した上で記憶したことは、忘れにくいです。知識の応用が利きます。
「年金こそ理解」です。必ず目的があって、すべての規定が作られています。国民年金法の主な給付の目的は以下のとおりです。
- 老齢基礎年金
- 老後の生活を保障するため
- 障害基礎年金
- 障害で働けない人のための生活を保障するため
- 遺族基礎年金
- 子育て年金。父子家庭または母子家庭の生活を助けるため
- 振替加算
- 老齢基礎年金の額が低い会社員の妻などの年金額の底上げを図るため
- 付加年金
- 自営業者などの第1号被保険者の年金額を増やすため
- 寡婦年金
- 夫と死別したが遺族基礎年金がもらえない妻の生活を支援するため
- 死亡一時金
- 保険料の掛け捨てを防止するため
まずは、国民年金法の給付や規定が作られた目的を覚える。それから、支給要件や支給額などの詳細を見ていくと、「なるほど、そうだったのか」とスムーズに頭に入ります。知識が結び付いて定着することで、理解が深まるのです。
支給要件
給付を受けるための条件のこと
国民年金法の給付を覚える順番は、目的→詳細です。
広く浅く学習する
社労士試験の国民年金法は、広く浅く学習しましょう。満遍なく、全範囲から出題されているからです。
年金制度は奥が深いです。「年金アドバイザー」という年金給付の実務に特化した資格があるくらい。いくらでも掘り下げて学ぶことができます。
しかし必要なのは、試験に合格するための知識です。過去によく出題されている項目と、その周辺知識を確実にインプットしていくことが学習の王道であり、合格への近道です。周辺知識をインプットする方法は以下の通り。
過去問を解いた後にテキストの内容を確認するときは、過去問の論点と、その前後の記述も一緒に読むようにしてください。そうすることで過去問の周辺知識が積み上がっていきます。
論点
問題文に書かれている内容が正しいかどうかを判断するためのポイント
年金のスペシャリストになるのは、社労士試験に合格した後の楽しみにとっておきましょう。
学習の基本はこちら >> 最短合格できる勉強方法
法改正の対策をする
国民年金法は、法律の改正が頻繁に行われています。以下は令和になってからの主な改正点です。
和暦 | 改正点 |
令和元年 | 産前産後の保険料免除の規定創設 |
令和2年 | 第3号被保険者等の要件の見直し |
令和3年 | 保険料申請免除対象者の拡充 脱退一時金の支給上限年数の引き上げ |
令和4年 | 在職定時改定創設 在職老齢年金の見直し 基礎年金番号通知書への切替え |
社労士試験では法改正があった箇所は、出題される可能性が一気にアップします。特に、過去に出題された論点に関する改正は要注意です。
以下は本試験で出題された、法改正に関する問題です。
法改正があった箇所をインターネット等で調べることも可能ですが、試験に出題される可能性のある法律は30以上。かなりの手間がかかります。また、直近の改正だけでなく、2〜3年前の改正点が出題されることも。
効率を考えると法改正の対策は、専用の教材を使うのが一般的です。教材は2種類あります。
- 市販の書籍:2千円くらい
- 資格スクールの講座:1万円くらい
法改正の教材は5月ごろからリリースされます。
知識を覚え直すのは大変です。国民年金法の法改正の対策は、早めに取りかかりましょう。
法改正は的を絞りやすいです。サービス問題といえます。
詳細はこちら >> 法改正を得点源にする方法
語呂合わせを活用する
社労士試験の国民年金法の論点を覚えるときは、語呂合わせ(ゴロ)を活用しましょう。理屈なく暗記しなければならない数字や紛らわしいポイントをラクに記憶できます。
以下は私が作った国民年金法に関するゴロです。
- 調整不可(付加)
- 政府は、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に必要な積立金を保有しつつ当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる保険給付(付加年金を除く)の額を調整するものとする。
- 任意加入は免除ごめんじょ
- 任意加入被保険者(特例による任意加入被保険者を含む)には、保険料免除制度は適用されない。
- 解散はさみ(3)し(4)いじょ(以上)〜
- 国民年金基金が解散するには、代議員定数の4分の3以上の多数による議決が必要。
ど忘れをしてしまい思い出せなくても、頭の中でゴロのフレーズが響けば、正確に論点を導き出すことができます。ゴロは遊び感覚で覚えられるので、気分転換にも最適です。
社労士試験専用の語呂合わせの教材が市販されています。ゴロをうまく活用して、楽しく効果的に学習しましょう。
ゴロは自分さえわかればいいので、深く考えずに響きとインパクト重視で作成してください。
筆者の語呂合わせ帳
厚生年金保険法と比較する
社労士試験の国民年金法と厚生年金保険法の学習が一通り終わったら、2つの法律を比較するのがおすすめです。国民年金法と厚生年金保険法は2階建て年金。共通点が多いです。
国民年金法の「障害基礎年金」と厚生年金保険法の「障害厚生年金」の支給要件を比べると以下のとおり。
障害基礎年金 (国民年金法) | 障害厚生年金 (厚生年金保険法) | |
初診日要件 | 初診日において次の①又は②に該当したこと ①被保険者であること ②被保険者であった者であって、日本国内住所を有し、かつ60歳以上65歳未満であること | 初診日において被保険者であったこと |
障害認定日要件 | 障害認定日において障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態にあること | 障害認定日において障害等級1級、2級又は3級に該当する程度の障害の状態にあること |
保険料納付要件 | 初診日の前日において保険料納付要件を満たしていること |
障害基礎年金と障害厚生年金の支給要件は、共通点が多いことがわかります。障害基礎年金の支給要件を記憶すれば、障害厚生年金の支給要件は相違点を覚えるだけ。比較することで、ラクに覚えることができます。
社労士試験では法律の枠を超えて、複数の法律を比較しながら共通点や相違点を認識することを「横断整理」といいます。国民年金法と厚生年金保険法は共通点が多いので、横断整理の効果が高いです。
横断整理のための教材は、2〜3千円程度で市販されています。
項目ごと
社労士試験に出題される、国民年金法の項目ごとの攻略ポイントは以下になります。
- 総則
- 国民年金法の全体像がまとめられている。第1条の目的条文、第2条の給付、第3条の管掌、年金額の改定(マクロ経済スライド・調整期間)を押さえる。
- 被保険者
- 国民年金法の被保険者に関する規定が定められている。強制被保険者(第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者)、任意加入被保険者、特定による任意加入被保険者、被保険者資格の取得および喪失、被保険者期間の計算、届出、国民年金原簿、基礎年金番号通知書について理解する。
- 給付の通則
- 給付に関する共通の規定のこと。裁定、年金の支給期間および支払期月、死亡の推定、未支給年金、併給の調整を理解する。
- 老齢基礎年金
- 老齢に関する年金。必ず出題される。老齢基礎年金の対象者、支給要件(保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間)、受給資格期間の特例、老齢基礎年金の額、振替加算、老齢基礎年金の支給の繰上げと繰下げ、老齢基礎年金の失権を押さえる。
- 障害基礎年金
- 障害に関する年金。障害厚生年金と同じ規定が多い。比較的簡単。支給要件(障害認定日・保険料の納付要件)、事後重症による障害基礎年金、基準障害による障害基礎年金、障害基礎年金の額、年金額の改定、障害基礎年金の失権と支給停止を理解する。
- 遺族基礎年金
- 被保険者が死亡したときに一定の要件を満たした遺族に支給される年金。支給要件(保険料の納付要件)、遺族の範囲、遺族基礎年金の額、遺族基礎年金の失権と支給停止を覚える。
- その他の給付
- 付加年金、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金の4つ。「付加年金」の支給要件・額・支給の繰上げと繰下げ・支給停止、「寡婦年金」の支給要件・支給期間・額・失権、「死亡一時金」の支給要件・支給されない場合・遺族の範囲および順位・額・支給の調整、「脱退一時金」の支給要件・額を覚える。
- 給付の制限
- 給付制限に関する規定。絶対的給付制限と裁量的給付制限の違いを認識する。
- 積立金の運用
- 保険料の運用ルールについて定めている。運用の目的と年金積立金管理運用独立行政法人に対する積立金の寄託を覚える。
- 費用
- 国民年金の費用負担に関する規定。保険料の額、付加保険料、保険料の納付義務と納期限、保険料の免除(法定免除・申請全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除・学生の保険料納付特例・30歳未満の保険料納付猶予・30歳以上50歳未満の保険料納付猶予)、保険料の追納、督促および滞納処分を押さえる。
- 不服申立て及び罰則
- 行政処分について不服がある場合の不服申立て制度等。社会保険審査官に対する審査請求、社会保険審査会に対する再審査請求、時効を覚える。
- 国民年金基金
- 第1号被保険者に対する老齢基礎年金の上積みが目的。国民年金基金の種類、設立要件、基金の行う業務、基金の解散、中途脱退者に関する規定を覚える。
ポイントを絞り込みやすい障害基礎年金と遺族基礎年金で確実に得点しましょう。
やる気を保つコツはこちら >> モチベーションを維持する方法
試験当日の対策はこちら >> 本番で失敗しない心構えとテクニック
国民年金法の覚え方をマスターして社労士試験に合格しよう
社労士試験のおける国民年金法は、得点を取りにいかなければならない科目です。
覚える際は、以下の5つのポイントを重視してください。最速で得点アップにつながります。
- 理解を心がける
- 広く浅く学習する
- 法改正の対策をする
- 語呂合わせを活用する
- 厚生年金保険法と比較する
基礎となる国民年金を理解できれば、厚生年金保険法の学習がラクになります。
配点が高い年金科目「国民年金法」と「厚生年金保険法」を制して、社労士試験に最短合格しましょう。
聴くだけで基礎を身につける方法
文字を読まなくても、音声を聴くだけで国民年金法の基礎が自然に身につく方法があります。
「歩きながら」「歯を磨きながら」「お風呂に入りながら」聴くだけで、国民年金法の全体像がスッと頭に入ります。
秘訣は、Amazonオーディブル(Audible)。オーディブルはナレーターが朗読した本をスマホアプリで聴けるサービスです。
オーディブルを使えば、「ゼロからスタート!澤井清治の社労士1冊目の教科書」を聴くことができます。澤井清治さんは、あの大手資格スクール「LEC東京リーガルマインド」の人気講師です。
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