- 社労士試験の合格発表はいつ?
- 試験後に何をしたらいいんだろう?
- 合格したときは?不合格だった場合は?
2023年の社会保険労務士試験は8月27日(日)に実施。合格発表日は2023年10月4日(水)でした。
合否の結果が出るまでに30日以上、待たなければなりません。本試験が終わっても、落ち着かない日々がしばらく続きます。
この記事では合格発表日までの有益な過ごし方と、合否が判明した後の流れを解説。記事を読めば、スムーズに次のステップへ進むことができます。
合格発表日までの有益な過ごし方は以下のとおりです。
本試験、お疲れ様でした。
合格する可能性が確実に上がる!
社労士試験後|合格発表日までの過ごし方
社労士試験終了後の2023年8月28日〜10月3日までの有益な過ごし方を、以下の3タイプに分けて解説します。
合格を確信した人
社労士試験後、自己採点の結果、合格していると確信した方は喜びを爆発させたあと、少し落ち着いてから次の進路を考えましょう。
合格したあとの進路は2つです。
- 登録して社労士になる
- 資格保有者のままでいる
登録とは、全国社会保険労務士会連合会(連合会)に登録することです。正式に社労士になるには、登録と都道府県社会保険労務士会(社労士会)への入会が必要になります。
登録せずに、資格保有者のままでいてもOKです。「社会保険労務士」とは名乗れませんが、試験の合格に有効期限はありません。思い立ったときに登録することができます。
「連合会に登録」し「社労士会に入会」するなら、次の4つの登録区分の中から1つを選びます。
- 開業
- 独立開業するための登録。
- 勤務
- 企業に勤務し、その企業についての業務を行うための登録。
- その他
- 無職者や企業内で社労士業務に該当する業務を扱う部署にいないようなケースでの登録。社労士としての業務を行うことはできない。
- 社会保険労務士法人の社員
- 社会保険労務士法人の社員として、他社の人事・労務の仕事をするための登録。
以下は2023年10月末時点の社労士の登録会員数です。
登録区分 | 会員数 |
開業 | 24,671人 |
勤務等 | 16,907人 |
法人の社員 | 3,829人 |
合計 | 45,407人 |
登録を考えているなら合格発表日までの37日間のうちに、どの区分にするか考えておきましょう。
登録・入会の手続きの詳細については後述します。
残念な結果になりそうな人
試験後の自己採点の結果、合格が厳しいと判断した方は来年の社労士試験に挑戦するかどうかを決めます。
来年も受験すると決めたなら、なるべく早く勉強を再開してください。2024年の試験に向けて勉強をスタートしている人が大勢いるからです。
ブランクが空くほど記憶が曖昧になり、勉強を再開するのがしんどくなります。徐々にでもいいので、早く普段通りの学習ペースに戻しましょう。
せっかく身についた勉強する習慣がなくなるのは、あまりにもったいないです。
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ギリギリの人
社労士試験後に自己採点をして「労一で救済があれば合格」「択一式の合格基準点が44点だったら合格」といった方は多いです。
救済措置や合格基準点は、合格発表日にならないとわかりません。ついついネットで合格基準の予想に関する情報を見てしまいがちですが、余計心配になったりします。
合格ラインギリギリの方は不合格だったとしても、あと一歩なので諦めきれない場合が多いです。落ちたとしても来年トライするつもりなら、少しは社労士試験の学習内容に触れておきましょう。
合格発表日までの勉強は以下がおすすめです。
- 2023年の本試験の問題を見直す
- 資格スクールの講義を軽く視聴する
- ネット上の社労士試験の過去問サイトで、遊び感覚で問題を解く
試験の解答は、資格予備校のHPで確認できます。過去問サイトは、社労士過去問ランドや過去問.comがおすすめです。
すでに実力は合格ラインに到達しているので、根気詰めて勉強する必要はありません。ただ、何もしないとどんどん知識は失われていきます。忘却防止のために、少しは情報に触れておきましょう。
最悪を想定していれば、精神的にリラックスして合格発表日を迎えることができます。
試験直後にやっておくべきこと
すぐにやっておくべきことは試験の振り返りです。よかった点と反省点を詳しくメモしておきましょう。たとえば以下のような感じです。
- シャーペンよりも鉛筆のほうがマークしやすかった
- デジタル表示の時計だったので、残り時間がわかりにくかった
- 選択式の社一で冷静さを失ってしまった
- 択一式は年金科目から解いていけばよかった
- トイレ休憩をしてリフレッシュすべきだった
どんなに小さなことでもいいので、記録しておいてください。次の本試験で、必ずその「メモ=経験」が活きます。
社労士試験後|合格発表日
第55回(2023年)社労士試験の合格発表日は、10月4日水曜日でした。厚生労働省ホームページおよび社会保険労務士試験オフィシャルサイトに合格者の受験番号が掲載されます。
合格証書は10月16日(月)に簡易書留郵便で発送。不合格だった場合の成績(結果)通知書も、10月16日(月)に普通郵便で発送さます。官報で合格者の受験番号が公告されたのは、10月下旬でした。
成績(結果)通知書は第56〜第58回社労士試験の受験資格証明書として使用できるため、大切に保管しておきましょう。
2022年の社労士試験は8月28日に実施され、合格発表日は10月5日でした。
合格した人
社労士試験に見事合格した後の選択肢は以下の2つです。
登録することの最大のメリットは、「私は社会保険労務士です」と名乗れるようになることです。
合格後に登録する
社労士として登録するには、実務経験が必要です。以下のどちらか1つ当てはまれば、実務経験として認められます。
- 労働社会保険諸法令に関する2年以上の実務経験
- 2年以上の実務経験以上の経験を有すると認めるもの
実務経験の具体例(一部)は以下のとおりです。
- 雇用保険、健康保険、厚生年金保険の被保険者資格取得・喪失に関する事務
- 健康保険、厚生年金保険の被保険者月額算定基礎届・月額変更届に関する事務
- 雇用保険被保険者離職証明書の作成等
労働社会保険諸法令に関する実務経験があれば、従事期間証明書を入会予定の都道府県の社労士会に提出します。従事期間証明書は事業主の証明が必要です。
実務経験がない、または事務経験を積む予定がない場合は、全国社会保険労務士会連合会が主催する事務指定講習で実務を学べます。講習を修了すれば実務経験2年と同等と認められ、社労士として登録が可能に。講習案内は、試験合格者宛ての書類に同封されています。
2024年3月からスタートする、第43回事務指定講習の概要は以下の通りです。
項目 | 詳細 |
申込期間 | 2023年11月10日〜2023年12月1日まで |
受講料 | 77,000円(税込) |
講習内容 | ①通信指導(4ヶ月間) ②eラーニング講習 |
修了要件 | ①通信指導は期間内に完了すること ②eラーニング講習は各科目の動画学習を完了し、試験で良好な成績を収めること |
講習科目 | 労働基準法および労働安全衛生法 労働者災害補償保険法 雇用保険法 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 健康保険法 厚生年金保険法 国民年金法 年金裁定請求等の手続 |
事務指定講習に申し込めるのは1年に1回です。講習を修了するには「4ヶ月間の通信教育」と「eラーニング講習」のカリキュラムを終える必要があります。
eラーニング講習は、スマホやPCで、好きな時間に講義動画を見るオンデマンド配信タイプ。動画は、1科目あたり3時間です。
通信指導課程とeラーニング講習の、所定の要件をいずれも満たし全課程が修了したら、修了証が交付されます。
事務指定講習は、試験合格年度の次年度以降に申し込んでもOKです。講習の修了証に有効期限はありません。事務指定講習を修了しておけば、好きなタイミングで社労士になれます。
事務指定講習の申し込み・問い合わせ先
全国社会保険労務士会連合会(研修・社会貢献課 研修係)
〒103-8346 東京都中央区日本橋本石町3-2-12 社会保険労務士会館6階
TEL 03-6225-4870
※教材のみの購入はできません。
ホームページはこちら >> 事務指定講習|全国社会保険労務士会連合会
2年以上の実務経験を満たすと社労士になる条件が整います。正式に「社会保険労務士」と名乗るためには、登録と入会の手続きが必要です。
- 全国社会保険労務士会連合会に名簿登録する
- 都道府県の社会保険労務士会に入会する
登録・入会するには、入会予定の都道府県の社労士会に登録申請書類を提出します。入会するのは開業する事務所、もしくは勤務先事業所の所在地または居住地の住所の区域に設立されている都道府県の社労士会です。
登録に必要な書類は以下のとおりです。
NO. | 書類 | 必要数 | 備考 |
1 | 社労士登録申請書 | 1通 | |
2 | 社労士試験合格証書の写し | 1通 | |
3 | 従事期間証明書または 事務指定講習修了証の写し | 1通 | |
4 | 住民票の写し | 1通 | 提出の日前3ヶ月以内に市区町村から交付されたマイナンバーの記載のないもの ※コピーは不可 |
5 | 写真票 | 1通 | 貼付する顔写真は、縦3cm、横2.5cm、背景無地、無帽、 正面向の鮮明な写真(白黒でも可)、裏面に氏名記入のこと |
6 | a~dのいずれか1つ 【コピー不可】 a)戸籍抄本 b)個人事項証明書 c)改製原戸籍 d)住民票の写し 【旧氏(通称)の記載のあるもの】 ※提出の日前3ヶ月以内に市区町村から交付されたマイナンバーの記載のないもの ※d)住民票の写しを添付する場合は、必要な書類4『住民票の写し』と併用可能 | 1通 | 次のいずれかに該当する者のみ必要 (ァ)合格証書または事務指定講習修了証の氏名と住民票の 氏名が異なる者 (イ)通称併記を希望する者 |
7 | 通称併記届 | 1通 | 希望者のみ |
NO.1〜NO.5まで書類は全員必須です。NO.6とNO.7の書類は該当者または希望者のみ必要になります。
社労士としての登録区分は以下の4つです。
- 開業
- 勤務
- その他
- 社会保険労務士法人の社員
4つの中から1つを選んで、登録申請します。
合格後、登録や入会にかかる費用の目安は下記になります。
費用項目 | 金額 |
登録 | 登録免許税3万円(収入印紙) 登録手数料3万円(振込) |
社労士会に入会 | 開業:入会金5万円・年会費9万6千円 勤務等:入会金3万円・年会費4万2千円 |
登録にかかる費用の6万円は共通です。社労士会に入会する費用は、都道府県によって異なります。
東京都で開業登録する場合、初年度に登録費6万円・入会金5万円・年会費9万6千円で合計20万6千円かかります。次年度以降は年会費のみの9万6千円です。
登録完了後3週間程度で社会保険労務士証票が届きます。
試験に合格しても実務経験がなければ、登録が完了するまでに1年近くかかります。
合格後に登録しない
試験に合格後、すぐに資格を活かすつもりがなければ社労士として登録する必要はありません。何もしなくてOKです。試験の合格に有効期限はないため、一度取得すれば一生モノの資格です。
実務指定講習を受けたとしても、登録する必要はありません。講習の修了書にも有効期限はないため、開業を決めた時点で登録するのもアリです。
社労士として生きていくと決めた時点で、登録するようにしましょう。
ただし、事務指定講習を受講できる機会は1年に1回だけです。気をつけてください。
合格後に実務を経験して登録してもOK
試験合格時は実務経験がなく、登録要件を満たしていなくても、合格後に2年間の実務経験を積めば、事務指定講習を受ける必要はありません。実務経験だけで登録できます。
実務経験で登録する場合は、事業主がサインした証明書の提出が必要です。
不合格だった人
社労士試験に残念ながら不合格だった方の方向性は次の3つです。
諦める
合格できなかった場合、社労士試験から撤退するのも選択肢の一つです。
翌年も受験するなら、最低でも数百時間の勉強が必要になります。その時間を別のことに充てることで、違う喜びが得られるかもしれません。
- 家族と過ごす時間を増やす
- ほかの資格にチャレンジする
- 仕事に打ち込んで成果を出す
試験勉強に没頭していると、社労士を志す当初の目的を忘れてしまい、合格することだけが目的になってしまうことがあります。
社労士試験は努力が報われるとは限りません。勉強を続けることが必ずしも正解ではないのです。
自分の気持ちに素直になりましょう。「本試験ですべてを出し切った」「自分には向いていない」「社労士の資格は必要ない」と感じたなら、諦めるのも立派な決断です。大所高所から、あなたの新たな可能性を探ってみてください。
私は2018年と2019年の中小企業診断士2次試験に失敗し、撤退しました。
テキストなどはメルカリで販売できる
テキストなどの教材を処分する際は、メルカリなどのフリマサイトをのぞいてみましょう。社労士試験の教材が数多く出品されています。状態によっては、高額で買い手が付くことがありますよ。
しばらく休む
「社労士になることを諦めたくない、でも気力が湧いてこない」という方もいると思います。そういう時は思い切って、勉強から離れましょう。
休む期間は数ヶ月でも、1年でも構いません。社労士試験から離れている間に、「もっとこうやれば良かった」など自分に足りなかった点が見えてきます。
そして「やっぱり社労士になりたい」と思うようになれば、自然とやる気が湧いてきます。
悲壮感が漂う中で勉強を続けるよりも思い切って休んで、気力を充実させたほうがいい結果につながることも。やる気が出ないときは、モチベーションが復活するまでの充電期間と割り切って休んでみましょう。
休んでいる間に別の目標が見つかれば、次のステップに進むのもアリです。
再受験
社労士試験に再受験すると決めたなら、早く普段通りの学習スタイルに戻しましょう。
受験経験があるからといって油断してはいけません。2024年の合格を目指す、モチベーションが高い初学者が一発合格を目指して必死に勉強しています。
3回の受験経験がある私の経験上、不合格になった翌年の試験であれば、メイン教材を変えずに使っても大きな支障はありません。ただし、法改正の教材は購入して、改正箇所を書き換える必要があります。
使い慣れている教材を使ったほうが効率がいい場合もあるため、あなたの好みで教材を買い替えるか判断してください。
1年間ちゃんと学習をして本試験に挑んだのに択一式の点数が40点未満なら、学習方法を見直したほうがいいです。
- 独学であればスクールの活用を検討する
- 資格予備校を変える
- 本やインターネットで合格者の勉強法を調べて取り入れる
複数年受験者は知識や経験で初学者よりも有利ですが、「また落ちたらどうしよう」という不安が出てきます。受験回数が増えるほど不安が大きくなり、本試験での判断を鈍らせてしまうのです。
再受験をするなら、次の社労士試験で何としてでも合格できるように、合格の可能性が0.1%でも上がる選択をしてください。
3回目の挑戦で合格した私としては、あなたに合格の喜びを味わっていただきたいです。
学習の基本はこちら >> 最短合格できる勉強方法
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社労士試験がどんな結果でも最善な選択をしよう
2023年の社労士試験の合格発表日は10月4日(水)。試験日(8月27日)から合格発表日までに37日間ありました。
発表日までに、あなたの人生において「何がベストな選択なのか」を考えてみましょう。
- 合格した場合:社労士として登録する or しない
- 不合格だった場合:諦める or しばらく休む or 再受験
不合格だったとしても、無理に再受験する必要はありません。撤退するのも英断です。
落ち着いた段階で、自問自答してみましょう。
「社会保険労務士の資格が本当に必要?」
自分の気持ちに素直に耳を傾けることが、最善な選択につながります。
社労士試験に挑戦するだけで「凄い人」。これからもあなたが求めることに挑戦してください。
合格する可能性が確実に上がる!