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- 社労士試験の労働保険徴収法って、何を勉強するの?
- 計算問題が出る?
- 労働保険徴収法で高得点を取る方法が知りたい
労働保険徴収法の正式名は「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」。労災保険法と雇用保険法の保険料の取り立てについて定めた法律です。
労働保険徴収法は、過去に出題された問題(過去問)からの出題が多いため、得点を稼ぎやすい科目。社会保険労務士試験に合格するには、労働保険徴収法で6点満点中5点は取りたいところです。
この記事では、労働保険徴収法の覚え方をわかりやすく解説。記事を読めば、社労士試験の徴収法で5点以上得点できる学習法がわかります。
勉強する際は、以下の5つのポイントを押さえてください。
合格する可能性が確実に上がる!
社労士試験|労働保険徴収法の目的
労働保険徴収法は、労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料を徴収するための手続きを定めた法律です。1972年に施行されています。
労働保険徴収法の目的は、労働保険事業の効率的な運営を図ることです。具体的には次の3点について、必要な事項を定めています。
- 労働保険の保険関係の成立および消滅
- 労働保険料の納付の手続き
- 労働保険事務組合等
保険料の期日や納付先、納付金額の算定方法などが規定されています。
徴収法をわかりやすく言うと、保険料をスムーズに取り立てるための手続法です。
社労士試験|労働保険徴収法の点数配分と出題傾向
社労士試験の科目における、労働保険徴収法の概要を次の2つの視点から、わかりやすく解説します。
点数配分
労働保険徴収法の点数配分は以下になります。
労災保険法 (労働保険徴収法含む) | 雇用保険法 (労働保険徴収法含む) | 合計 | |
択一式 試験 | 3点 (3問) | 3点 (3問) | 6点 (6問) |
労働保険徴収法は、択一式試験の2科目で3点ずつ、合計6点です。2科目の正式名は以下の通り。
- 労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
- 雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
社労士試験の労働保険徴収法は、労災保険法と雇用保険法の2科目の一部として出題されます。例年、労災保険法と雇用保険法の問8〜問10が徴収法の問題です。
労災保険法 (労働保険徴収法含む) | 雇用保険法 (労働保険徴収法含む) | |
択一式 試験 | 問8〜問10 (3問) | 問8〜問10 (3問) |
試験の全体に占める、労働保険徴収法の点数の割合は次の通りです。
割合 | 労働保険徴収法の点数 | 総点数 | |
選択式 試験 | 0% | 0点 | 40点 |
択一式 試験 | 8.6% | 6点 | 70点 |
労働保険徴収法は択一式のみ。選択式での出題はありません。
過去5年間の出題
社労士試験における、労働保険徴収法の直近5年間の出題は以下のとおりです。
もっとも出題されるのは、「労働保険料」と「労働保険料の申告・納付」「徴収金・督促及び滞納処分等」の3つです。
次に「総則」「保険関係の成立及び消滅」「保険関係の一括」「労働保険事務組合」が出題されています。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
総則 | 択一① | 択一① | 択一① | 択一① | |
保険関係の成立及び消滅 | 択一❶ | 択一❶ | 択一① | 択一① | |
保険関係の一括 | 択一❶ | 択一❶ | 択一① | 択一❶ | |
労働保険料 | 択一② | 択一❶ 択一① | 択一① | 択一❶ 択一② | 択一❶ 択一① |
労働保険料の申告・納付 | 択一② | 択一① | 択一❶ 択一① | 択一❶ 択一① | 択一② |
メリット制 | 択一❶ | 択一❶ | |||
印紙保険料 | 択一② | 択一① | |||
徴収金・督促及び滞納処分等 | 択一❶ 択一① | 択一① | 択一❶ | 択一② | 択一② |
労働保険事務組合 | 択一❶ | 択一❶ | 択一❶ | ||
雑則等 | 択一① | 択一① |
- 択一:択一式試験で出題
- ❶:1問で出題された数
- ①②:1問の一部分で出題された数
保険料を徴収する法律だけに、労働保険料と保険料を納める方法に関する知識は欠かせません。
まずは頻出の「労働保険料」と「労働保険料の申告・納付」 の2項目を完璧に仕上げましょう。
2023年の試験員
社労士試験は、問題作成を担当した試験委員が公表されています。2023年の労働保険徴収法を作問した方々(敬称略)は次の7名です。
- 石川 公彦
- 沖縄大学 経法商学部 経法商学科 教授
- 大木 栄一
- 玉川大学 経営学部 国際経営学科 教授
- 小畑 史子
- 京都大学 大学院人間 環境学研究科 教授
- 佐野 正照
- 社会保険労務士 元大阪中央労働基準監督署長
- 柴田 洋二郎
- 中央大学 法学部 教授
- 永野 仁美
- 上智大学 法学部 法律学科 教授
- 丸谷 浩介
- 九州大学 法学研究員 公法・社会法学部門 社会法学 教授
試験員7名中、6名が大学教授です。
社労士試験|労働保険徴収法の覚え方をわかりやすく解説
労働保険徴収法の覚え方を2つに分けて、わかりやすく解説します。
全体
労働保険徴収法の難易度と学習にかけるべき時間の比重度、法改正の多少は、次のとおりです。
労働保険徴収法 | |
難易度 | (2.0 / 5.0) |
学習時間の比重度 | (3.5 / 5.0) |
法律の改正 | 少ない |
社労士試験の労働保険徴収法の難易度は「やさしい」。法改正が少ないので過去問をマスターすれば、得点が伸びる科目です。過去問の演習を繰り返して、6点満点中5点以上の得点を狙いましょう。
2022年の本試験では、法改正に関する出題はありませんでした。
覚え方のポイントは以下の5つです。
(クリックすると各項目にジャンプします。)
図や表で覚える
労働保険徴収法の学習は図や表を使うと、わかりやすく効果的に覚えることができます。
例えば「保険関係の一括」は、事業ごとに次のように定められています。
- 有期事業:建設と立木伐採の事業が、法律上当然に一括される
- 請負事業:建設の事業が、法律上当然に一括される
- 継続事業:業種を問わず一括される、厚生労働大臣の認可が必要
保険関係の一括
保険料等に関する手続きを簡素化するために、2以上の保険関係を1つのものとしてまとめること
文字だけで覚えることも可能ですが、ややこしいです。上記の内容を表にすると以下になります。
有期事業 の一括 | 請負事業 の一括 | 継続事業 の一括 | |
業種 | 建設 立木の伐採 | 建設 | 問わない |
一括扱い | 法律上当然に | 厚労大臣の認可 |
文字だけの情報よりも表にしたほうが、視覚的にもわかりやすいです。スッキリしますね。
労働保険徴収法の類似・共通している事項は、図や表を活用すると短時間で覚えることができます。
論点を図や表でまとめたものは、横断整理の教材に掲載されていることが多いです。
計算問題に慣れる
社労士試験の労働保険徴収法では計算問題が出題されることがあるため、対策をする必要があります。
計算自体は難しいものではありません。試験に電卓は持ち込めないため、筆算で答えを導き出せるレベルの計算問題です。
以下は、実際に出題された計算問題です。
次に示す業態をとる事業についての労働保険料に関する記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本文においては、保険料の滞納はないものとし、また、一般保険料以外の対象となる者はいないものとする。
保険関係成立年月日:令和元年7月10日
事業の種類:食料品製造業
令和2年度及び3年度の労災保険率:1000分の6
令和2年度及び3年度の雇用保険率:1000分の9
令和元年度の確定賃金総額:4,000万円
令和2年度に支払いが見込まれていた賃金総額:7,400万円
令和2年度の確定賃金総額:7,600万円
令和3年度に支払いが見込まれる賃金総額3,600万円
2021年 択一式試験「雇用保険法(労働保険徴収法含む)」問10の問題文
B 令和2年度における賃金総額はその年度当初には7,400万円が見込まれていたので、当該年度の概算保険料については、下記の算式により算定し、111万円とされた。
7,400万円×1000分の15=111万円
2021年 択一式試験「雇用保険法(労働保険徴収法含む)」問10の選択肢B
上記、過去問の選択肢Bの内容は「誤り」です。正しく修正すると、以下になります。
B 令和2年度における賃金総額はその年度当初には7,400万円が見込まれていたので、当該年度の概算保険料については、下記の算式により算定し、60万円とされた。
4,000万円×1000分の15=60万円
計算式は簡単な掛け算です。社労士試験の労働保険徴収法では計算力よりも、「なぜ賃金総額が7,400万円でなく4,000万円になるのか」についての理解が求められます。
計算問題を過剰に恐れる必要はありませんが、筆算に慣れていないと凡ミスをしてしまうことがあります。試験の本番で計算ミスをしないように、紙に書いて計算する練習をしてください。
過去問を使って、どういうタイプの計算問題が出題されるか把握しましょう。
得点できたはずの問題を凡ミスで落としてしまうのは、もったいないです。
過去問を繰り返し解く
社労士試験のもっとも効果的な学習法は、過去問を繰り返し解くことです。中でも労働保険徴収法は、過去問の反復効果が特に高い科目です。理由は以下の3つ。
- 範囲が狭い
- 法改正が少ない
- 出題が偏っている
社労士試験の労働保険徴収法は元々範囲が狭い上に法律の改正も少ないため、同じポイントに出題が集中しています。結果、過去問の焼き直し問題が多くなるのです。
労働保険徴収法は手続法です。保険料を「だれに」「いくら」「いつまでに」払うのか、ルールを覚えるだけなので難しくありません。以下は実際に出題された問題です。↓
過去問をやればやるほど、得点にアップにつながります。
労働保険徴収法は得点を取りにいく、攻めの科目です。
学習の基本はこちら >> 最短合格できる勉強方法
語呂合わせを使って覚える
労働保険徴収法は保険料の額を決定する法律であるため、割合(%)や日数、金額、尺度に関するたくさんの数字が出てきます。以下は実際の試験問題です。↓
数字を覚える際は、積極的に語呂合わせ(ゴロ)を活用しましょう。ゴロを使えば理屈抜きで覚えなければならない数字を、ラクに記憶することができます。
社労士試験のゴロ専門の教材も市販されていますが、自作のゴロでもOKです。以下は私が作ったゴロです。
- 有期はニッ!
- 有期事業の概算保険料の申告・納期限は、保険関係成立日から20日以内
- 事務組合の変更いーよ
- 事務組合は、認可申請書に記載された事項に変更が生じた場合は、その変更があった日の翌日から起算して14日以内に、届書を提出しなければならない
ゴロに大した意味はありませんが、響きとインパクトですぐに記憶できました。いまだに覚えているくらいです。
無機質な数字をひたすら覚えようとすると勉強が苦痛になります。モチベーションを維持するためにも、語呂合わせを使って楽しく学びましょう。
社労士試験の全10科目で249個のゴロを自作しました。
筆者の語呂合わせ帳
やる気を保つコツはこちら >> モチベーションを維持する方法7選
労災保険法と雇用保険法の違いを認識する
社労士試験の労働保険徴収法を理解するには、労災保険法と雇用保険法の違いをはっきり認識しておくことが重要です。以下は代表的な相違点です。
労働保険関係事務の所轄
- 労災保険法に関する事務:労働基準監督署長
- 雇用保険法に関する事務:公共職業安定所長
労働保険料の種類
- 一般保険料:労災保険および雇用保険の保険料
- 特別加入保険料:労災保険の特別加入者の保険料
- 印紙保険料:雇用保険の日雇労働被保険者の保険料
- 特別納付保険料:雇用保険の特例的な保険料
暫定任意適用事業所の加入及び脱退についての労働者の希望と同意の規定も、労災保険法と雇用保険法では異なります。
加入の希望 | 加入の同意 | 脱退の希望 | 脱退の同意 | |
労災保険法 | 過半数 | – | – | 過半数 |
雇用保険法 | 1/2以上 | 1/2以上 | – | 3/4以上 |
社労士試験の労働保険徴収法では、労災保険法と雇用保険法の違いがよく狙われます。
労災保険法と雇用保険法の違いをハッキリさせるには、横断整理が有効です。
項目ごと
社労士試験に出題される、労働保険徴収法の項目ごとの攻略ポイントは以下になります。
- 総則
- 労働保険徴収法の趣旨、全体に関係することがまとめられている。第1条の目的条文、賃金、適用事業を押さえる。
- 保険関係の成立および消滅
- いつ労働保険に加入して、いつ終了するのかが定められている。保険関係が成立・消滅する日、暫定任意適用事業の成立・消滅する要件を覚える。
- 保険関係の一括
- 労働保険の事務処理を簡素化するために、保険関係を一括するための規定。有期事業・請負事業・継続事業の一括要件を覚える。
- 労働保険料
- 保険料の種類、保険料率、保険料の算定方法等がまとめられている。よく出題される項目。一般保険料の額、労災保険率、雇用保険率を暗記する。
- 労働保険料の申告・納付
- 保険料の申告・納付の方法、期日等が定められている。頻出項目。概算保険料、概算保険料の延納、確定保険料の仕組みを理解する。
- メリット制
- 労災保険料の割引・割増制度。継続事業のメリット制を中心に押さえる。
- 徴収金・督促および滞納処分等
- 保険料を支払わない場合のペナルティ等がまとめられている。追徴金と延滞金の算定方法を覚える。
- 労働保険事務組合
- 厚生労働大臣の認可を受けて、事業主に代わり労働保険事務を処理することができる団体。労働保険事務組合に対する通知、事務組合の責任についての規定を理解する。
- その他
- 印紙保険料の額、時効(2年)、書類の保存期間(3年)の暗記は必須。
労働保険徴収法は、必ず労災保険法と雇用保険法の学習が終わってから取りかかりましょう。
試験当日の対策はこちら >> 本番で失敗しない心構えとテクニック
わかりやすい労働保険徴収法で得点を稼ごう
労働保険徴収法をわかりやすく言うと、労災保険と雇用保険の保険料を徴収するための手続きを定めた法律。
社労士試験の科目の中では、いちばん得点を稼ぎやすいです。以下の5つのポイントを意識して学習し、択一式試験で6点満点中5点以上を確保できるようになってください。
- 図や表で覚える
- 計算問題に慣れる
- 過去問を繰り返し解く
- 語呂合わせを使って覚える
- 労災保険法と雇用保険法の違いを認識する
択一式試験での目標得点は、労災保険法(7点満点)、雇用保険法(7点満点)、労働保険徴収法(6点満点)の3科目合計で、16点(20点満点)です。
労災保険法、雇用保険法、労働保険徴収法で確実に得点を伸ばして、社労士試験に合格しましょう。
聴くだけで基礎を身につける方法
文字を読まなくても、音声を聴くだけで労働保険徴収法の基礎が自然に身につく方法があります。
「歩きながら」「歯を磨きながら」「お風呂に入りながら」聴くだけで、労働保険徴収法の全体像がスッと頭に入ります。
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